2026.10.26

コラム

【知っておきたい溶接機の知識】価格だけではわからない!レーザー溶接機選びのポイント



レーザー溶接機は何を基準に選ぶべき?
価格だけではわからない、メーカーごとの違いと遠誠株式会社のこだわり

レーザー溶接機は、現在、国内外のさまざまなメーカーから販売されています。近年では、比較的安価な製品も数多く登場しており、「メーカーが多すぎて、どの溶接機を選べばよいのかわからない」というお声を耳にすることも少なくありません。

溶接機を選ぶ際、価格や出力などのスペックは重要な判断基準です。しかし、それだけで本当に自社に合った溶接機を選べるのでしょうか。

実際には、メーカーによって製品の開発体制や品質検証、安全機能、故障時のサポート体制などに大きな違いがあります。

今回は、レーザー溶接機のメーカーによる違いを解説するとともに、遠誠株式会社が取り扱うTRM製レーザー溶接機の特徴や、私たちが大切にしている品質・安全性・サポートへのこだわりをご紹介します。
 

1. 価格の安いレーザー溶接機、その仕組みとは?

現在、レーザー溶接機の市場では、中国を中心に比較的安価な製品が数多く流通しています。

こうした製品の中には、レーザー発振器、冷却装置(チラー)、ソフトウェア、ワイヤー送給装置などを、それぞれ異なる専門メーカーから調達し、組み合わせて製造しているものがあります。

各部品を専門メーカーから調達することで、量産によるコスト削減が可能になり、製品を比較的安価に提供できることが大きなメリットです。

一方で、各部品を製造するメーカーが異なる場合、溶接機全体の設計や制御、各部品の連携について、どこまで一貫して管理・検証されているかが重要になります。

例えば、レーザー発振器はA社、チラーはB社、ソフトウェアはC社、ワイヤー送給装置はD社が製造しているとします。

このような構成では、それぞれの部品に関する専門知識が各メーカーに分散することになります。

また、複数のメーカーから部品を調達して組み立てる方式では、ソフトウェアについても、採用する製品によっては共通のものが使われており、操作画面や設定方法が似ているケースもあります。

もちろん、複数のメーカーの部品を組み合わせる方式そのものが悪いわけではありません。各部品の専門性を活用できることは、大きなメリットでもあります。

大切なのは、価格だけでなく、溶接機全体としての品質や安全性、そして導入後のサポート体制まで確認することです。


 

2. 故障したときに差が出る、メーカーのサポート体制

レーザー溶接機を選ぶうえで、特に注目していただきたいのが故障時の対応です。

溶接機は、導入して終わりではありません。日々の生産活動を支える設備だからこそ、トラブルが発生した際に、どれだけ迅速かつ的確に対応できるかが重要になります。

例えば、複数のメーカーの部品を組み合わせた溶接機で故障が発生した場合、原因となっている部品を特定する必要があります。

その際、問い合わせが次のような流れになることがあります。

お客様

↓

商社

↓

販売代理店

↓

溶接機を組み立てたメーカー

↓

各部品の製造メーカー

例えば、冷却装置に問題が発生した場合、組み立てたメーカーが冷却装置の製造メーカーに確認を取り、原因の特定や修理方法の検討を進める必要があります。

さらに、ソフトウェアやレーザー発振器など、別の部品が原因となっている可能性があれば、それぞれのメーカーへの確認も必要になります。

こうした問い合わせの過程が増えるほど、原因の特定や修理の判断に時間がかかる可能性があります。

場合によっては、修理に長い期間を要したり、海外のメーカーへ製品を送り返さなければならなかったりすることも考えられます。

生産の予定があるにもかかわらず、溶接機が使えない状態が長く続けば、現場への影響は決して小さくありません。

また、メーカーによっては、問い合わせ窓口を設けていても、自社内に十分な技術対応体制が整っていない場合があります。

重要なのは、問い合わせを受け付けてくれることだけではなく、故障の原因をどこまで自社で特定し、解決に向けて動けるかという点です。

そのため、溶接機を導入する際には、購入価格や性能だけでなく、故障時の対応方法や技術サポートの範囲についても、事前に確認しておくことをおすすめします。


 

3. 遠誠株式会社が大切にする、自社エンジニアによるサポート

遠誠株式会社では、溶接機の販売だけでなく、導入後のサポート体制も重要な要素と考えています。

当社では、自社のエンジニアが在籍しており、お客様からのお問い合わせや故障時の技術対応を担当しています。

そのため、トラブルが発生した際にも、まずは当社のエンジニアがお客様の状況を確認し、技術的な観点から原因の特定や対応を進めます。

メーカーへの問い合わせを取り次ぐだけではなく、技術的な知識を持つエンジニアが対応することが、当社の特徴の一つです。

もちろん、故障の内容によっては、部品メーカーや製造元への確認が必要になる場合もあります。しかし、最初の段階から技術的な視点で状況を確認できることは、問題解決に向けた大きな強みになります。

私たちは、溶接機を販売して終わりにするのではなく、導入後も安心してご使用いただけるよう、技術面からお客様を支えていきたいと考えています。
 

4. 溶接機の専門メーカー「TRM」だからこそできること

ここまで、溶接機の構成やサポート体制についてご紹介してきました。

では、溶接機そのものの設計や品質検証については、メーカーによってどのような違いがあるのでしょうか。

当社が取り扱うメーカーの一つが、TRMです。

TRMは、レーザー溶接機を専門とするメーカーです。

レーザー発振器とノズルを除き、冷却装置やソフトウェアなど、溶接機を構成する主要な部分を自社で開発・製造しています。

各部品を外部から調達して組み立てる方式とは異なり、溶接機全体を理解したうえで設計や開発を進められることが、TRMの大きな特徴です。

特に注目したいのが、ソフトウェアも自社で開発している点です。

溶接機のソフトウェアは、単に操作画面を表示するためのものではありません。各部品の制御や動作、安全機能などにも関わる重要な要素です。

自社でソフトウェアを開発することで、機械全体の構造や動作を踏まえた制御設計が可能になり、製品の特性に合わせた機能の開発にも取り組みやすくなります。

また、溶接機を専門に扱うメーカーだからこそ、製品全体に関する知識を蓄積しやすく、性能検証や耐久テストにも一貫して取り組めます。

私たちがTRMの製品をおすすめする理由は、単に溶接ができるということだけではありません。

溶接機全体を理解したメーカーが、性能・耐久性・安全性まで考慮して製品づくりを行っていること。これが、TRMの大きな魅力です。
 

5. 耐久テストに基づいた、空冷式・水冷式の使い分け

TRMの特徴を具体的に示すものとして、冷却方式の選定が挙げられます。

レーザー溶接機には、大きく分けて空冷式と水冷式があります。

  • 空冷式: 空気を利用してレーザー発振器などを冷却する方式
    水冷式: 冷却水を循環させて熱を取り除く方式

一般的に、冷却方式を選ぶ際には、出力や使用環境、連続稼働の条件などを考慮する必要があります。

TRMでは、こうした条件を踏まえ、製品の性能や耐久性について検証を行っています。

例えば、空冷式の製品については、1,200Wまでを販売対象としています。

これは、耐久テストを実施し、レーザーの性能が所定の範囲内で維持されることを確認したうえで、出力の上限を設定しているためです。

当社からの説明では、試験において、レーザーの性能変化を2%以内に抑えられたという実績を踏まえ、1,200Wまでの空冷式製品を展開しています。

一方で、1,500W以上の出力については、水冷式を推奨する仕様となっています。

このように、出力に応じて冷却方式を使い分けることは、単に製品のラインアップを分けているということではありません。

性能や耐久性を考慮し、適切な使用条件を設定することが重要なのです。

高出力であればあるほどよい、というわけではありません。大切なのは、使用する出力や稼働条件に適した製品を選ぶことです。

TRMでは、こうした検証に基づいて製品の仕様を設定しており、導入時にも用途に合った冷却方式を選ぶことが重要になります。
 

6. ガス圧低下時にレーザーを自動停止する安全機能

レーザー溶接機を使用するうえで、性能と同じくらい重要なのが安全性です。

TRMのレーザー溶接機には、ガス圧が低下した際にレーザーを自動停止する機能が搭載されています。

レーザー溶接では、溶接時に適切なシールドガスを供給することが重要です。

ガスが十分に供給されていない状態で溶接を続けると、溶接品質に影響するだけでなく、条件によっては内部の光学部品であるレンズが損傷するおそれもあります。

そのため、ガス圧の低下を検知した際にレーザーを停止させる仕組みは、トラブルの防止につながる重要な機能です。

こうした安全機能を実装するためには、溶接機の動作や各部品の制御を理解したうえで、適切なソフトウェアを設計する必要があります。

TRMでは、ソフトウェアを自社開発していることを生かし、溶接機の制御と安全性の両面を考慮した製品づくりを行っています。

溶接機を選ぶ際には、出力や価格だけでなく、異常が発生した際にどのような安全機能が働くのかという点にも注目してみてください。
 

7. アースが接続されていても、すぐにはレーザーが発射されない仕組み

TRMの安全設計でもう一つ注目したいのが、レーザーの発射に関する制御です。

レーザー溶接機には、アースが接続された状態でトーチのボタンを押すとレーザーが発射される仕組みを採用している製品もあります。

しかし、このような仕組みでは、作業者が溶接を終えたあと、トーチを作業台に置いた状態でも、アースの接続条件が満たされている場合があります。

その状態でトーチの発射ボタンに物が接触すると、意図せずレーザーが発射される危険性が考えられます。

レーザーが製品に照射されてしまうだけでなく、状況によっては作業者などに向かって発射されるおそれもあります。

こうしたリスクを低減するため、TRMのレーザー溶接機では、アースが接続されているだけではレーザーが発射されない仕組みを採用しています。

トーチを適切に保持し、トーチに設けられたボタンを長押しすることで、レーザーが発射できる状態になるよう設計されています。

つまり、アースの接続だけでレーザーの発射条件が成立するのではなく、作業者による所定の操作も必要になるということです。

このような制御は、意図しないレーザーの発射を防ぐための安全対策の一つです。

そして、こうした機能を実現するためには、溶接機全体の動作を理解し、必要な制御をソフトウェアに組み込むことが重要になります。

自社でソフトウェアを開発しているTRMだからこそ、製品の構造や動作に合わせた制御を設計し、安全性の向上に取り組むことができます。

レーザー溶接機は、正しく使用すれば生産性の向上に貢献する設備ですが、取り扱いには十分な注意が必要です。

だからこそ、導入時には性能だけでなく、どのような安全対策が施されているかについても確認することをおすすめします。
 

8. 溶接機選びは、価格だけでなくメーカーの姿勢にも注目を

ここまで、レーザー溶接機のメーカーによる違いについてご紹介してきました。

安価な製品には、コストを抑えながら導入できるという大きなメリットがあります。一方で、製品を構成する部品の調達方法や開発体制、品質検証、安全機能、故障時のサポート体制などは、メーカーによって異なります。

溶接機を選ぶ際には、次のようなポイントを確認することが重要です。

  • 価格: 導入費用だけでなく、修理や保守なども含めて検討する
    開発体制: 各部品やソフトウェアをどこまで自社で開発・管理しているか
    品質検証: 性能試験や耐久テストをどのように実施しているか
    安全性: ガス圧低下時の停止機能や、意図しないレーザー発射を防ぐ仕組みがあるか
    サポート体制: 故障時に誰が技術対応を行い、どのように問題を解決するのか

こうしたポイントを確認することで、価格やスペックの比較だけでは見えにくい、メーカーごとの違いが見えてきます。
 

遠誠株式会社では、溶接機の性能だけでなく、品質や安全性、導入後のサポートまで含めて、お客様に適した製品をご提案することを大切にしています。

今回ご紹介したTRM製レーザー溶接機も、専門メーカーとしての開発体制や検証への取り組み、そして安全性を考慮した機能が特徴の一つです。

レーザー溶接機は、購入して終わりではなく、導入後も長く使用していく設備です。

だからこそ、「どれだけ安いか」だけではなく、「安心して使い続けられるか」という視点も大切にしていただきたいと考えています。

レーザー溶接機の導入や買い替えをご検討中の方は、ぜひ価格や出力だけでなく、メーカーごとの特徴やサポート体制にも注目してみてください。

遠誠株式会社は、お客様の用途やご要望に合わせたレーザー溶接機選びをサポートいたします。

 

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